ブルホーン化と折りたたみの干渉

2021年5月12日自転車

折りたたみ自転車は”たたんで小さくする事を目的”としているので、殆どのタイヤサイズは20インチ以下。

フレームは折りたたみサイズを小さくするためにダイヤモンドフレームではなく、太めで一本モノのトップチューブを低く配置する事が多い。

となると、フロントフォークの延長上にあるコラムの位置も下がり、ハンドルバーの高さとかけ離れる。

その為、ハンドルバーとコラムを繋ぐためにハンドルポストが必要になる訳だが、折りたたみサイズを小さくする為にハンドルポスト周りに工夫が詰まっている。

各メーカーがフラットバーで考えた末の配置なだけあって、折りたたみ機能を維持しつつブルホーンバーに交換する事は中々の難所。ハンドル周りの構造によって折りたたみの手間やサイズが変わり、取付け方によっては走行時の安全性も変わってくる。

ここではハンドルポストの折りたたみ方と、ハンドルバーの固定方法に注目してブルホーン化と折りたたみの干渉を考えてみたい。

 

スポンサーリンク

ハンドルポストの折り畳みのパターン

折りたたみ自転車のたたみ方は色々パターンがあるが、折りたたんだ後のハンドルポストの状態は大まかに三つのタイプに分けられるので、それぞれの特徴を考えてみたい。

 

内折れタイプ

Dahon K3

前後のタイヤを重ね合わせるようにメインフレームの真ん中にヒンジのある折りたたみ、その内側にハンドルポストも折りたたむタイプ。主にDAHON系の折りたたみ自転車でHORIZEやK3もこのパターン。

フレームとフレームの隙間にハンドルポストも折りたたむタイプなので、スペース的な余裕は無くブルホーン化一番メンドクサイ。スペースが変えられないので上手く出来上がれば、折りたたみサイズが変わらずに済む。

 

外折れタイプ

フレームの折りたたみ方は色々あるが、折りたたんだ時にハンドルポストが外側あるタイプで、ブロンプトン、Birdy、Ternなど。

内折れタイプと比べるとスペース的な余裕はあるので折りたたみに干渉しにくいが、油断すると折りたたみサイズが大きくなってしまう。諦めてしまえばドロップハンドルも取り付け可能。

 

脱着タイプ

折りたたみ時にハンドルポストを引っこ抜いてしまうタイプ。代表的な所はKHS製 F-20R系。

自転車本体と外したハンドルの固定がしっかり出来れば、ブルホーンどころかドロップハンドルを使用しても折りたたみサイズを最小限に抑えられる。

ハンドルポストとハンドルバーの固定にアヘッドステムやポジションチェンジャーを使用しているなら、交換する事でポジション変更も容易。

伸縮パンドルポストが使用されている車種はハンドルポストを引っこ抜いて似たような事が出来る。

ネックになるのは他のパターンと比べると折りたたみが若干メンドクサイ事。

 

ハンドルバーの固定方法

ブルホーンバーはフラットバーとは異なり、前方に伸びるバーの部分やブレーキレバーが折りたたみで干渉しやすい。

構造次第では追加のパーツやハンドルポスト交換も視野に入れなければならないので、それぞれの特徴を考えてみたい。

 

完全固定タイプ

アヘッドステムやポジションチェンジャー、直接ハンドルポストに固定など、ボルトを使って完全に固定するタイプ。

ハンドル保持力は高くブルホーンバー向きだが、内折れタイプのハンドルポストでは確実に干渉するレベル。

外折れタイプは角部分がのサイズが横に伸びるカタチになるので、折りたたみサイズが大きくなり輪行には不向き。室内保管や自家用車で運搬など、折りたたみサイズを割り切れるならアリ。

無難なのは脱着式のハンドルポストで、至るところはKHS製 F-20R系のカタチになる。

 

クイックリリースタイプ

フラットバーを回転してブレーキレバーの干渉を避ける事を目的としたクイックリリース。

前に飛び出るブルホーンバーをハンドルポストと平行になるまで回転させると、使用するパーツ次第ではハンドルポスト内折れタイプでも干渉を避けられる。

クイックリリースは大まかにDAHON系とTern AndrosStemの2種類。

 

DAHON系は小型で折りたたみの手間やサイズを最小限に抑えられるが、ブルボーンバーの固定には力不足

クイックリリースを固めにすればある程度保持力は増えるが、レバーが小さいので握力が必要になり頻繁に畳む人は不向き。

急ブレーキを掛けてブルホーンバーの角部分に体重が掛かった場合、ブルホーンバーが前方に回転する事がありバランスを崩しやすく安全性に問題が有る

HORIZE、K3のブルホーン化で体験済みで、低速で何とか持ち応えた物の肝が冷える思いをしている。

 

Tern AndrosStemはTern製折り畳み自転車の採用されている可変ポジションチェンジャー。

単品販売もされているので、Φ25.4mmのクランプ径のハンドルバーとT型ハンドルポストを組み合わせで、後付けでクイックリリース化出来るのがメリット。

DAHON系のクイックリリースと比べるとレバーの長さが倍以上あるので固定するのに力が少なくて済み、保持力も上下で抑え込むDAHON系と違いクランプ径全周を包み込む構造なので保持力も高め・・・とは言っても、クイックリリースなので完全固定と比べれば保持力は弱い。単体で275gとかなり重い。

 

まとめ

最終的に全てのパーツを組み合わせた時に折りたたみ方のパターンは三種類に収まる感じ。

DAHON以外の自転車の場合は別のいい方法があるかもしれないが、憶測で書ききれるほどの知識も無いので、やってみた事を踏まえて書き出してみたい。

 

ハンドルバーをしっかり固定してハンドルポストを引っこ抜く脱着タイプ

市販されているブルホーン折り畳み自転車のKHS製 F-20R系のパターン。市販車に採用されるぐらいなので、折りたたみサイズと安全性を考えるとベストな選択。

伸縮ハンドルポストで似たような事が再現できるので、ハンドルポストの交換も選択肢に上がってくる。

ネックは、畳んだ時にハンドルポストを上手く固定出来るかがポイント。輪行経験が折りたたみ自転車しか無いEnjoy勢からすると、ロードバイクの輪行より簡単なのは理解できるが、脱着しない折りたたみ自転車と比べると手間がかかる事が判断の分かれ目。

個人的にはメンドクサクて断念。 (´・ω・`)

 

Tern AndrosStemを使用した外折れ・内折れタイプ

折りたたみの手間やサイズ、安全性がバランス良くまとまった感じ。

Φ25.4mmのT型ハンドルポストや準ずる形状なら、後付けでハンドル周りに折り畳み構造を追加出来るのが画期的。スペースに問題が無いなら内折れタイプのハンドルポストでも使える。

K3のコンパクトカスタムVer2で採用したパターンで走行距離を積みながら様子を見ているが、折りたたみや走行の安全性に今のところ(運良く)問題ない状態。AndrosStemの保持力はクイックリリースとしては高めだが、ブルホーンバーの固定に十分な保持力か?と言えば答えはNo

 

クイックリリースで無理やり固定する外折れ・内折れタイプ(非推奨)

ブルホーン

HORIZE、K3のブルホーン化で散々やっているが、急ブレーキでブルホーンバーが前のめりに回る持病があっても、折りたたみ時の干渉さえ避け切れば手間やサイズは少なくて済むのでやってしまいがち。

問題がある事を理解した上でやる場合は、安全な場所で急ブレーキの練習をする事をおススメする。

咄嗟に出来るかは別として、インナーマッスルを引き締めて上半身を固定、胸から手首にかけてブルホーンバーを持ち上げる感じの状態でフルブレーキング。

その状態でブルホーンバーが前方に回るなら、万が一の場合は空を飛ぶ覚悟をした方が良い。

 

おわりに

ブルホーン化が折りたたみ自転車のカスタムにハマるきっかけだったので、思い入れは深い。

長時間乗っていても腕が疲れにくくなったし、何よりカッコイィ!

ただ、身も蓋も無い事を言うと・・・

 

 

 

 

 

 

折りたたみに最適なハンドルバーは間違いなくフラットバー。(´-ω-`)