やってはいけない?DAHONのハンドルポスト交換(1)
多くのDAHON製品に採用されている折り畳み機構の要の一つに、Radius Handlepostがある。
剛性、折りたたみ易さ、折りたたみサイズのバランスが良く、特にヘッドパーツから上の寸法は他社と比べると一回り短い。
ハンドルポストとフォークコラムを繋ぐ部分の長さも12㎜とかなり短い為、他社製のハンドルポストと互換性は無いに等しい。
DAHON純正のハンドルポスト自体、長さ、角度違い、折れ方などの種類が多い。長らくオークションで中古品しか買えなかったDAHON純正T型ハンドルポストも、2021年モデルのSpeed RBが外折れT型ハンドルポストを採用している事から、純正新品が(Speed RBの供給が安定すれば)買えるようになる。
ハンドルポスト交換である程度自分に合わせたポジション変更が可能だが、純正ハンドルポストはちょっと値段(ハンドルポストだけで1.5~2万円+工賃)が張るのが玉に瑕。(´・ω・`)
純正の値段を見ると安い社外品を使いたくなるが、それっぽく取付けられても確実に取付けられない事から、大人しく純正品を買うor諦めるの二択にした方が良い。
いろんな意味で良く出来たハンドルポストだが、フラットバーではなくドロップハンドルやブルホーンバーを使いたい場合は都合が悪い。ドロップハンドル装備のSpeed RBの折り畳み寸法はW82cm×H66cm×D56cm と、折りたたんだ方が邪魔じゃない?と思える寸法になる。DAHONの基本的な折り畳み構造(DFS Technology + Radius Handlepost)だと相性が悪く、折り畳み寸法を諦めなければならない事は理解している。
20インチの場合、折りたたみサイズ(厚み)が小さい方が良いなら、DAHONを辞めてKHSを選択すれば良い。だけど14インチの場合は?
・・・前置きが長くなったが、ハンドル周りの剛性確保と折りたたみサイズを維持しながらK3をブルホーン化する為に、やってはいけないDAHONのカスタムという噂の社外品ハンドルポストを組み合わせるのが、今回のお話。(´-ω-`)
以降の内容は全て自己責任です。
自転車の大幅(サジ加減はメーカー次第)なカスタム自体がメーカー保証対象外になる行為。ココに辿り着いてこの記事を読んでいる人は大丈夫だと思いますが、事故した云々の責任は負いかねます。自分で問題ないと判断して行動に移したのなら、それは自己責任。
さらには・・・今回のカスタムに関しては従来と違い、金属パーツを加工して組み合わせる作業自体がネット上で見つけられなかったオリジナル(?)の方法。有識者から見ればあり得ない方法なのか。過去に同じような事をやっていたものの、ブログサービス終了で電子の海に消え去った方法なのか。単純に検索が悪いのか。どういう理由であれ一歩踏み込んだ素人作業なので、強度的に大丈夫なの?という点で今まで以上に怪しい。(((´-ω-`)))
現状は作業完了して試走出来るレベルになっているものの、長期的に乗っても問題ないレベルなのかを検証中。身に危険を感じるレベルの欠陥があれば下記にある「その後」に追記しますが、おススメするようなカスタムでもないので、「なんかアホな事やっとるわー」程度に眺めて下さい。(´・ω・`)
使用パーツ
パーツの説明の前に出来上がりのイメージとしては、KHS風の根元から引っこ抜く脱着式ハンドルポスト。K3に導入する時の課題としては・・・
- ハンドルポストの脱着と回り止めの構造
- フォークコラムの延長
- ヘッドセットの固定方法
最低限この三点をクリアしない事にはまともに自走すら出来ないので、じっくり時間を掛けてハーツを選んだ。
ONIPAX QRハンドルポスト
今回のカスタムの要になるハンドルポスト。ONIPAXは台湾の自転車メーカーだが日本に代理店が無い。小物パーツはAmazonで多少販売されているものの、完成車は個人輸入品が稀にオークションで流れるぐらい。
このハンドルポストもONIPAXの折り畳み自転車で使われている部品が、ヤフオクで流れていた時に入手したモノ。脱着式ハンドルポストを選ぶ上で重要な、大型のクイックリリースと回り止め用のピンがセットになっていたのも購入の決め手。ただ、自分でフォークコラムに回り止めの金属加工を行うのが、今回のカスタムの一番の難所
元の自転車が20インチなので長さは35㎝ほど。K3で使うにはちょっと短い感じだが、足りなければコラム延長アダプターで伸ばす予定。ステムが付く上部(右側)は外径が28.6㎜で、クイックリリースの有る下部(左側)は内径が28.6㎜と、上から下へ微妙に太くなっている。
アヘッドコンバーター
本来はスレッドステムをアヘッドステムに変換するパーツ。
単純にフォークコラムを延長するだけ使用するなら大して悩む事は無いが、問題はこのアヘッドステムコンバーターに回り止め加工が必要な事。
そこで重要なのが、太い方(外径Φ28.6㎜)の肉厚が薄い物。肉厚が厚いと回り止めピンが役割を果たせず、肉厚が薄すぎるとハンドルポストが折れる不安がある。
回り止めピンとハンドルポストの組み合わせで肉厚は2.5㎜が良いのは分かっていたが、2.5㎜の肉厚で30cm以上延長されたハンドルポストから受ける力を支えられるかの判断は付かない。(-ω-|||)
シートポストクランプとコラムスペーサー
名前の通り本来はシートポストを固定するクランプで、K3のフォークコラム径(Φ28.6㎜)に合わせた物を使用。
K3のフォークコラムとヘッドパーツの固定部分に使用するので、Φ28.6㎜で10㎜程度の厚みのクランプを探すとシートポストクランプだった。仮組してみると、シートポストクランプとヘッドセットの間に隙間がある為、調整用に2㎜のコラムスペーサーを追加。
ハンドルステム
ハンドルポスト径がΦ28.6㎜、ハンドルバー径はいつものブルホーンバーを使用するのでΦ25.4㎜用のハンドルステムを購入。
ポジションや折りたたみへの干渉が詰め切れていないので、なるべく短い物を選択。ステムに替えればロードバイクで使える様なクランプ径31.8㎜のブルホーンバーやドロップハンドルも取付けられるが、今回は見送り。
重量比較
自転車系ブログ(?)らしく、パーツ重量の比較
- ハンドルポスト:710.4g
- 固定ボルト:44.3g
- 銅ワッシャー:3.0g
K3標準のハンドルポスト周りの重量は757.7g
- ハンドルポスト:392.2g
- アヘッドコンバーター:160.6g
- シートポストクランプ:25.0g
- 2㎜コラムスペーサー:1.9g
- ハンドルステム:121.1g
置き換えるハンドルポスト周りの重量は700.8g。ハンドルポスト単体比較では重量半減に近い状態だが、脱着式は付随するパーツが多く最終的には56gぐらい軽い程度。ポジションが合わずハンドルステムを交換したら帳消しになるレベルなので、軽量化目的でこのハンドルポストを採用する意味はない。
フラットバーからブルホーンバーの変更でハンドルバー周りの重量が増加するので、ブルホーン化全体では重量増のまま。まぁ、いつも通りである。(´-ω-`)
次回に続きます。
今回のカスタムの起点となるONIPAXハンドルポストを入手したのが2020年12月下旬。今回は見本になる(パクる)カスタム情報が無いので、パーツの選定や仮組みが納得できて本組みに入ったのは4月になってから。
特にアヘッドコンバーターがイマイチしっくりしたモノではない為、図面引いて町工場に発注しようか・・・小型の旋盤は購入できるのか・・・など、だいぶ頭が煮詰まった状態だった。結局はしばらく放置して熱が冷めてから妥協して前に進めたから良かった。
金属加工の発注に抵抗が無くなった素人はロクなモノを作らない。(´-ω-`)