ブルホーン化のハンドル周りのパターンとパーツ選び
ブルホーンバーに交換する!と決まればパーツ選び。
フラットバーやドロップハンドルと比べると、ブルホーンバーは付けられるブレーキレバーやシフターの種類が多い。
好みのパーツを選んでいくのは楽しいが、ブルホーン化の失敗しやすいポイントは購入したパーツが取り付けられない事。
なので、完成形のイメージとパーツ選びのポイントを考えてみたい。
もくじ
ブレーキレバーの位置で分けるハンドル周りのパターン
お手軽パターン
ハンドルバーをブルホーンバーに交換しただけで、ブレーキ・シフトレバーはハンドルの中心に寄せて同じように配置するお手軽パターン。
ただ、ブルホーンバー自体の幅が狭くハンドル中央部にブレーキ・シフトレバーが寄りすぎると、アクセサリーの取り付けスペースが無くなったり、折り畳み時の干渉に注意が必要。
エビホーン、カニホーン
ブルホーンの先端(角)部分に流用したブレーキ・シフトレバーを付けるパターン。ケーブルがブルホーンの先端から一旦前に伸び、車体側に戻るようなルートが”エビの触覚”に似ている事が由来。
カニホーンはエビホーンとは逆向きにブレーキレバーを付けたパターン。ケーブルは車体側に流れるが、ハンドルバー先端部分とブレーキレバーが同じ向きに飛び出すことから”カニのハサミ”にている事が由来。
エビホーン?カニホーン?角?・・・細かい事は突っ込んではいけない。(´-ω-`)
ブレーキ・シフトレバー流用のお手軽パターンの一つだが、元々のケーブルに余長が少ない場合はケーブル類の張替えが必要になる。
デュアルコントロールレバーを使うパターン
ロードバイクで使用されているデュアルコントロールレバーを使うパターンで、変速数が多くキビキビとしたスポーツ寄りの走りをしたいなら、このパターンが安定する。
多くの場合は余っていたコンポーネントを流用するカタチになるだろうから、ブレーキやシフトを再調整する必要で大掛かりな作業になる。
また、デュアルコントロールレバーはVブレーキに対応していない為、Vブレーキの場合はワイヤーの引き代の短いミニ(コンパクト)Vブレーキに交換する必要があったりと、さらに作業量が増える。
ブルホーンバー先端に取付ける事からスペース的に大きくなる為、折り畳み時の干渉しやすい。
スタンダードなパターン
見た目的にスッキリさせたい場合のパターンで、ブレーキレバーやシフターを交換するので作業量は多め。
数少ないブルホーン市販車のKHS製F-20Rは、補助ブレーキ+バーエンドコントローラーの組み合わせ。
エアロブレーキ+サムシフターの組み合わせは、Horize、K3でカスタム経験ありのお気に入りパターン。
エアロブレーキレバーはバー内にケーブルを通す物もあり、ケーブル穴あるブルホーンバーを見つけてくるか、自己責任でブルホーンバーにケーブル穴を開けるしかなし。
ブルホーンバーの選び方。
ブルホーンバーの外観的な幅、ホーンの長さ、ホーンの角度などは、体格やポジション、使用するバーツや折り畳みに影響ない範囲で個人の好み。
気を付けるべき点は、他のパーツとの組み合わせに関わる部分の寸法で、以下の部分はチェックすべきポイント。
クランプ径
ハンドルポストにハンドルバーが固定される部分。25.4mm、26.0mm、31.8mmなどいくつか種類があり、自分の自転車と合わせる必要がある。商品説明に必ず記載されている項目なので、記載が無ければどんなにカッコ良くても購入を見送るべき。
クランプ径の幅
基本的に気にする必要が無く、商品説明の記載も殆ど無い。ただし、T型ハンドルポストを使う場合は別。T型の場合は左右に伸びているバーの部分にポジションチェンジャーを取り付けるので、その幅までハンドル側のクランプ径が無いと固定が出来ない。商品購入前に質問をしてみるか、商品画像で博打を打つぐらいしかない。(´・ω・`)
グリップ径
クランプ径から一回り小さくなったグリップあたりの外径の寸法。使用するブレーキレバーやシフターと一致するか、スペーサーを使ってハンドルバーに対応できるかをチェックする。
バーの内径
バーの先端に差し込んで固定するタイプのエアロブレーキレバーや、バーエンドコントローラーを使用する場合に重要なポイントだが、商品説明に記載されていない事が多い。商品購入前に質問をしてみるか、グリップ径から3~5mm小さいサイズにブレーキやシフターが対応しているかがポイント。
ケーブル穴
ハンドルバー内にケーブルを通すブレーキレバーやバーエンドコントローラーを使い場合に必要。ただ、ケーブル穴が開いていたブルホーンバーは数が少なく金額的に高い。(´・ω・`) ブレーキレバーやシフターを諦めるか、自己責任でブルホーンバーに穴を開けるか、選択が必要。
ブレーキレバーの種類
ブルホーン化で使えそうなブレーキレバーの代表的な所は5種類ほど。
一般的な(?)ブレーキレバー以外はワイヤーの引き量短い為、基本的にVブレーキに対応していないと思った方が良い。まれに対応している物はあるので、じっくり探して(人柱覚悟で)使ってみるのも手。
普通のVブレーキからブレーキアームの短いVブレーキ(コンパクトV、ミニV、ショートVなどの名称の物)に交換して、シビアにブレーキの調整出来ればVブレーキ非対応のブレーキレバーでもブレーキを引けるらしいが、メーカーが推奨していない組み合わせなので自己責任でやるしかない。
一般的な(?)ブレーキレバー
よく見るタイプのコレ。Vブレーキ、キャリパーブレーキなどのワイヤー引きのタイプはもちろん、油圧ディスクブレーキ用のレバーも大きな意味では同じ形状。
元々使用してブレーキレバーをお手軽パターン、エビホーン・カニホーンにするパターンが多いと思うが、絶対数が多いので、軽量化やフレームカラーに合わせた色のレバーに替えるといったカスタムがしやすいのがメリット。
ギドネットレバー
昔のツーリング車に使われていた記憶はあるが、最近は見かけないクラシカルな雰囲気の代物。Vブレーキには基本的に対応していない。
ブルホーンバーとの組み合わせはフラット部分から角部分の広範囲にブレーキレバーがあるので、咄嗟の状況でブレーキが掛けやすいのが特徴。ネックはブレーキレバーが広範囲にある事から、折り畳みの時の干渉が気になる所。
デュアルコントロールレバー
ロードバイクで使用れされいるブレーキレバーとシフターが一体になった物。細かい事は”デュアルコントロールレバーを使うパターン”を参照。Vブレーキには基本的に対応していない。
補助ブレーキレバー
昔のツーリング車のドロップハンドルのフラット部分に取付けられていた補助ブレーキ。他のブレーキレバーと違い、ブレーキワイヤーの途中に挟み込んで使用するのが本来の使い方。
ブレーキワイヤーがレバー部分を貫通して通る構造を生かして、本来ブレーキアームに向かう方をインナーケーブルの終端。レバー側からケーブルをバーに沿わして固定出来るスタンダードなパターン。Vブレーキには基本的に対応していない。
エアロブレーキレバー
他のブレーキとは異なりバーの先端に差し込んで固定する為、購入時には対応するバー内径の範囲が最重要チェックポイント。同じようにバーの先端に差し込んで固定するシフターのバーエンドコントローラーと共用は出来ない。
競技車のTTバイクで使用されて事が多いことから、空気抵抗を意識したデザインの物も多い。その為か、バーの内部にブレーキケーブルを通す構造の物もあり、ブルホーンバーに穴が無ければ自己責任で穴を開ける必要がある。
Vブレーキには基本的に対応していないが、HORIZE、K3のブルホーン化で使用しているレバーはVブレーキ対応のレア物。値段が安いので値段なりの質感とバー内にケーブルを通すので、穴アリのバーか穴あけ加工が必要になるのがネック。
シフターの種類
シフターの分類自体がアナログ的なフリクションタイプか、デジタル的なインテックスタイプ。
電動タイプはインテックスタイプの一種だが、従来の機械式シフターの形を電動化した物以外に小さなスイッチのシフターが存在していて、取り付け位置の自由度の高さから別枠扱いにしている。
バーのグリップ径に対応している物を選べば取り付けに問題は無いが、付属のスペーサーを挟んで固定出来る大きさを変えられる物もあるので、商品説明をしっかり読んだ方が良い。
フリクションタイプ
アナログ的にインナーケーブル巻き上げて変速するシフター。構造が簡素でコンパクトだが、巻き上げるインナーケーブルの量でリアディレイラーを動かし、自分の感覚で狙ったスプロケットに合わせ込む。
狙ったスプロケットにスムーズに合わせ込むのはある程度の慣れが必要になるが、普段乗りやサイクリングなど1分1秒を争う競技に出ないのならば、思っているほど苦にならない。(楽とは言っていない)
サムシフター
親指で押し込んだり引き寄せたりする感じのサムシフター。親指以外で操作しても問題はない。ブルホーンバーの先端に取付けているスタンダードなパターンのイメージが強いが、サムシフターのクランプ径が合えばモノ自体が小さい事もあり、取り付け位置の自由度は高い。
バーエンドコントロールシフター
エアロブレーキレバーと同じで、バーの先端に差し込んで固定するタイプ。当然、エアロブレーキレバーと共用は出来ない。購入時には対応するバー内径の範囲が最重要チェックポイント。
ステムマウントシフター(Wレバー)
昔のツーリング車のようにハンドルステム付近に変速レバーを後付けする物。変速時に手を離さなければならないので、クラシックなタイプの自転車にか使われていない感じ。好んで使用する場合以外は、ハンドルバー部分の取り付けスペースが確保できない場合や折り畳みに干渉するなど、シフター設置位置の最終的な逃げ道。
インデックスタイプ
変速付き市販車のシフターは殆どこのタイプ。1回のラッチで1速分(減速の場合は2速まで)のインナーケーブルを巻き上げて変速するので、操作が簡単で素早く確実に変速できる。
トリガーシフター
一般的に広く使われているタイプのシフター。フラットバーを前提にした作りだが、ブルホーンの先端にも一応取付けられる。先端に付ける場合はレバーの向きや固定部分の向きなどから、フラットバーの取り付けとは左右逆側に取付ける形になりそう。
グリップシフター
グリップの親指と人差し指で握る部分を回転させて変速させるシフター。フラットバーで使用する場合はハンドル周りに一体感があるが、ブルホーンバーに移植すると一体感は無くなりやすい。ブルホーンバーの形状を制限するなら角の先端に角度の付いていないストレートな物を使用して、エビホーンにするのが無難?グリップシフターのままブルホーン化している人の数は少ない。
デュアルコントロールレバー
ロードバイクで使用れされいるブレーキレバーとシフターが一体になった物。説明は割愛。(´-ω-`)
電動タイプ
シンプルな見た目と軽快なコントロールを両立するなら、間違いなくブルホーンの最適解。
ただ、電動コンポーネントに交換するのに重い出費が掛かるので、全ては懐次第。
有線タイプ(Di2)
ケーブルの引き回しはあるものの、スイッチ側個別のバッテリー切れの心配や切り替え反応速度を気にしなくて良いのが利点。ただ、電動コンポーネントは上位グレードだけなので、出費が痛い。
無線タイプ(Xshifter エックスシフター)
スイッチ側とモーター側のユニット間を無線で制御し、モーター側とリアディレイラーを従来通りのワイヤーの引きにした物。コンポーネントは流用出来てハンドル周りのケーブルの心配もいらないが、スイッチ側とモーター側の2か所にバッテリーが必要な事と、無線の反応速度が気になるところ。
まとめ
HORIZEのブルホーン化を初めてやった時は、部品の選定に長い時間を割いた。その結果、作業の方はほぼ問題なく出来て成功。
その後、K3にそのまま移植してブルホーン化をしているが、コンパクト化のタイミングでブルホーン周りを見直す時にいくつかパーツを購入時したが、どのパーツも組み合わせが上手くいかずにお蔵入りに。(-ω-|||)
ブルホーンの事を理解しているつもりで、深く考えずパーツを購入した事が原因なのは言うまでも無く・・・
ブルホーン化に限った話ではなく、自転車のパーツ選びは妄想の捗る楽しい時間なので、じっくり時間をかける事をおススメします。(´・ω・`)